東京の残響(2023ホーム最終節)

飛田給駅に着いて改札を出ると、いつも通り巨大なエンブレムが迎えてくれた。

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このエンブレムが出迎えてくれるのは今日が最後。

 

エンブレムに関しては、新しいものがまだ好きになれないでいる。

正直、今のエンブレムの真ん中にあるTのロゴはダサいし、ロゴだけのグッズは身につけたくないと思っていた。

ただ、今のエンブレムにはとても愛着があって好きだ。

人生の半分近くを東京のファンとして過ごすうちに、自分のエンブレムになったのかもしれない。

 

今まで社長も監督も選手も入れ替わって、見える形で残り続けたものは青と赤のクラブカラーとエンブレムなので、私にとってエンブレムはクラブを象徴する重要な要素のひとつであったと、今になって初めて気付いた。

そんな大きな象徴が変わってしまうと、自分が夢中になって応援していた思い出ごと過去のものになってしまいそうで、とても寂しい。

 

新しいものは、きっとデザイン的に正しくて、優れているものなのだろうと思う。

でも、正しいから好きとか、カッコいいから好きとか、フットボールはそういうことだけじゃないんだ。

思い入れも何もない新エンブレムは今のところただの記号でしかない。

感情論でしかないけど、応援という行為は感情によるものだから。

 

みんなが納得するエンブレムなんてこの世に無いし、決まったことはひっくり返らないだろうけど、もう少しやり方があったんじゃないかな。

皆にとって愛着や思い入れがあるものをあっさり刷新したことで、エンブレム発表の場で大ブーイングとなった事実は真摯に受け止めて欲しい。

いつか新しいエンブレムを誇りに思う日が来ることを信じてるから、ホーム最終節の挨拶では社長自らの言葉を聞きたかった。

 

変わらないものなんてないし、変化が必要なのはわかる。

しかしながら親会社が代わり、エンブレムが代わり、今までの東京とは全くの別物になってしまうのではないかと、時折心配になる。

 

「強く、愛されるチームを目指して」

部活サッカーと言われながらも、ひたむきに走り抜いたガスのエナジー

ガス時代の残響は今後もクラブの哲学として響き続けるのだろうか。

花火の音ではなく、選手たちの気迫で、私の心を揺さぶって欲しい。